あ と が き
いろはのお題「物忌み」の四日後、泉水さんと共に安倍家の当主、泰長さんを訪ねる花梨ちゃんのお話……と言いつつ、進むにつれて親バカ天狗と師匠命の弟子が目立つ話となってしまいました。
「理由」というお題には、「泰継さんが花梨ちゃんの元を訪れなかった理由」、「泰明さんが人になれた理由」、そして「泰明さんが神子の世界へ渡った理由」という意味を関連付けてみました。でも、実際にこの話で書きたかったのは、泰継さんを心配する周囲の人々だったりします。あと、第三話の花梨ちゃんのセリフですね。
安倍家の当主、泰長さんが初登場。名前だけは拙宅の創作では既に出していたのですが、この人の設定自体はかなり昔に作ったものです。北山に独りで住んでいた頃、泰継さんの元を動物達が頻繁に訪れていたようなので、子供が相手ならどうなのだろうと話を考えたのが最初です(作中で泰長さんが語っていた、「楽などに現を抜かさず真面目に修行しろ」と父親に北山に送り込まれた件がそれ)。この方、一言で言うと「単なる泰継ファン」です。元服の際、泰継さんの名前から一文字もらって名付けて貰っているくらいなので。でも、それだけ師匠のことを尊敬しているのです。超マイナーとは言え、歴史上存在した人物に勝手に変な設定をあれこれ付けていますが、泰長さんが雅楽頭だったというのは一応史実通りです。ただ、雅楽寮については、「遙か2」がモデルとしている時代よりも前の時代の設定と言えるかもしれません。
この翌日、大切な恋第四段階を迎えるはずなのですが、うちの花梨ちゃん、泰長さんに頼まれるまでもなく、泰継さんに会うため北山に押しかけて行きそうな勢いなので、北山でイベントが起きそうですね(笑)。いえ、ちゃんと火之御子社で起こしてもらいますけど。「願い」のあとがきで、「ゲーム通りになってしまうので恋愛イベントは創作には書かないつもり」と書いたのですが、この二人はゲーム通りにはならないですね。一応この話の花梨ちゃんと泰継さんの第四段階イベントの話はあるので、いずれ書いてみたいと思います。お題「連理」の予定です。
読んで下さった皆様、ありがとうございました!