あ と が き
タイトルは幸鷹さんの障害のある恋イベントから戴きました。しかしこれ、秋の季語なのですよね。まあ、細かい事は気にしない気にしない(笑)。
初めて幸鷹さんの秘密を知った時、非常に興味深いキャラだと思いました。彼の場合、京に残っても現代に帰って来ても、必ず誰かを泣かせる結果となるのですよね。このあたり、同じく現代から召喚されて八葉となった天真くんや詩紋くんとは全く違うと思います。だから幸鷹さんのエンディングは、どちらもどこか切ないように思いました。
でも私が最も興味深いと思ったのは、神子のおかげで記憶を取り戻しはしたものの、神子とエンディングを迎えることが出来ず京に残った場合の幸鷹さんでした。その時の彼の気持ちはどうだったのだろう? そう考えて作ったのがこの話と「秋桜」「神子のお願い」の元となる話でした。花梨ちゃんがお持ち帰りしたのが泰継さんだったという設定も、他の八葉に設定するより劇的かなと思ったので……。泰継さんは、幸鷹さんの秘密を知っている唯一の八葉ですから。
幸鷹さんは大切な恋イベントで、「家族に元気だったと伝えて欲しい」と花梨ちゃんに告げていましたが、それを実行すると花梨ちゃんが幸鷹さんの家族から尋問にあうのでは、と思ったので、今回の話では手紙を託したことにしています。その手紙を託されたのが泰継さんだというのは、一応うちの花梨ちゃんが帝側神子の設定なので、幸鷹さんは障害のある恋の過程を経ているものとされているからです。その割に、話の都合で一部大切な恋イベントの要素も含まれていたりしますが(笑)。
幸鷹さんの元の世界の家族や花梨ちゃんへの気持ちを書きたいと思って書き始めたのですが、なかなか上手く表現することが出来ませんでした。今回は本当に、己の文章力の無さを痛感致しました。
読んで下さった皆様、ありがとうございました!