02 正装
早朝―――


まだ朝靄に煙る京の町に、カランコロンと軽やかな下駄の音を響かせながら、土御門殿へと向かう少年の姿が在った。
八葉の一人、天の朱雀、イノリである。

鍛冶師見習いであるイノリの朝は早い。
師匠である鍛冶師の家に、病弱な姉と二人で厄介になっているため、朝餉の用意や井戸の水汲みなどの雑用を手伝っているからだ。それは、八葉となった現在も変わらない。
今日もそれらの雑用を全て終わらせてから、龍神の神子、あかねが身を寄せている土御門殿に向かっているのだ。
この道を通り、土御門殿に通うようになって一ヶ月余り――。
漸く八葉の務めにも慣れ始めて来たところである。


長い築地の先にある門に辿り着くと、既に顔馴染となっていた屋敷の警備に当たっている武士団の者たちに通してもらい、イノリは土御門殿の中へ入った。
(相変わらず広い屋敷だぜ)
最初のうちは、摂関家として権勢を誇る左大臣の屋敷に自分のような庶民が入れるなど、なんだか不思議な気がしたものだ。初めてこの門を潜った時など、中にある全ての物が珍しくて、見ていない振りをしつつも、きょろきょろと周囲を見回してしまったくらいだった。随分慣れたとは言え、自分が此処にいることが場違いのような気がするのは、一ヶ月前も今も大して変わらない。
広い庭を抜けて、藤姫にあてがわれている棟に辿り着く。この建物の一角に、あかねの部屋があるのだ。
龍神の神子降臨の数日前、突然藤姫に呼び出されて八葉だと言われた時は、自分の手で鬼をやっつけられるならと思い、一も二もなく八葉の務めを引き受けた。都合が悪い日以外毎日のように此処に通っているのも、鬼を倒すためだった。
あれから一ヶ月。
ただ鬼を倒したいためだけに引き受けたつもりだった八葉の務めに対する自分の気持ちに少しばかり変化が生じて来たことに、イノリ自身も気付き始めていた。

庭から階を上り、簀子を歩き始めた時、あかねの部屋の前であかねと立ち話をしている人物がいることに気付き、イノリは無意識にその場に立ち止まっていた。あかねが話していた人物が、明らかに身分の高そうな衣冠姿の貴族だったため、声を掛けることを躊躇ったのだ。
だが、簀子の上に立ち尽くすイノリにあかねが気付いて、声を掛けて来た。
「おはよう、イノリくん」
あかねの視線を追うように、緋色の袍を纏った貴族もイノリの方を振り返った。
「おや、早いね」
その声を聞いて、イノリはあかねが話していた人物が誰であるのかに漸く気付いた。
「友雅ぁ?」
拍子抜けしたような声で、彼の名を口にする。

橘友雅。
左近衛府少将であり、殿上人でもある友雅は、八葉の中では法親王である永泉に次いで身分が高く、年齢は最も高い。武芸や楽に優れ、帝からの信頼も篤く、「帝の懐刀」と呼ばれていると聞いている。
それだけでなく、端整で華のある容貌と気障な言動で、左大臣家の女房たちは勿論、内裏でも女性に非常に人気があるらしい。
――ただの伊達男じゃんか……というのが、彼の評判を聞かされた時の正直な感想だった。
同じ八葉として知り合って一ヶ月になるが、自分より遥かに大人で、しかも貴族である友雅に、イノリは少しばかり苦手意識を持っていたのだった。

(何だ。友雅だったのか……)
後姿だったとは言え、不覚にも全く気が付かなかった。
今朝の友雅は、襟元を正してきっちりと袍を着込んでいるだけではなく、普段背に流している長い髪を結い上げ、冠の中に収めていた。威儀を正した友雅の姿が、いつもの牡丹の大柄をあしらった袍の胸元を肌蹴て着崩した姿の友雅と余りに違って見えたので、声を聞かなかったら、もしかしたら顔を見ても分からなかったかも知れない。
(一体、友雅の奴、何しに来たんだ?)
いつもと違う彼の装束を見るに、八葉の務めのために此処に来たのではないようだ。
第一、今日は南の札を取りに行く日なのだから、地の白虎である友雅の力は必要ない。
そんな事を考えていたイノリの耳に、用を終えたらしい友雅があかねに挨拶する声が届いた。
「ではね、神子殿。気を付けて行っておいで」
「大丈夫ですよ! イノリくんと詩紋くんが一緒ですから!」
そう言いながら、あかねが友雅に笑顔を向けた。
(………!)
あかねの笑顔を見たイノリは、思わず息を呑んだ。
薄っすらと頬を赤らめながら、あかねが友雅に向けた笑顔が、自分や天真や詩紋に向けられるものと少し印象が違って見えたからだ。
あかねの明るい笑顔は、まるで吹き抜ける春風のように、周囲の者を温かい気で包み込む。その心地良さに、自分だけでなく他の八葉たちも彼女の笑顔に惹かれ始めていることに、イノリは気付いていた。
だが、同じあかねの笑顔のはずなのに、友雅に向けられた笑みは、どこかが違って見えたのだ。
何が違っていたのかを考えたイノリの脳裏を、昨日の散策中、自分に向けられたあかねの微笑みが過ぎった。
無邪気に笑う彼女の表情は童のように子供っぽくて、初めて会った時はてっきり自分より年下だと思っていた。しかも異世界からやって来た彼女の行動は危なっかしくて、自分より年少の子供達から「親分」と慕われているイノリとしては、世話を焼かずにはいられなかったのだ。
だから、実際にはあかねが自分より一つ年上なのだと知って、吃驚した。京であれば、疾に裳着を済ませ、結婚していてもおかしくない年齢である。
しかし異世界の人間であるせいか、あかねからは年上の女性の色気のようなものは、全くと言っていいくらい感じたことが無かった。
だからこそ、龍神の神子と八葉と言うよりむしろ同年代の友人として、あかねを守って鬼の一族と戦って来たのだ。
自分と同年代の少女――。
そう思っていたのに……。
昨日のあかねの笑顔がイノリの脳裏から掻き消され、今し方彼女が友雅に向けた、はにかんだような微笑みに替わった。
(そうか……)
イノリはあかねの笑顔を見て感じた違和感の原因に思い至った。
頬を染めたあかねの微笑みは、普段彼女が自分達には見せたことがなかったような、大人びたものだったのだ。
(何だよ。あかねの奴、オレや天真の時と態度が違うんじゃねぇか?)
むっとして、イノリは顔を顰めた。
龍神の神子としてあかねが京に来てから一ヶ月。
その間に、あかねは先ず青龍の二人と共に行動して東の札を手に入れ、次に白虎の二人と共に西の札を手に入れた。そして西の札を探すため毎日一緒に行動するうちに、あかねは自分よりずっと年上で大人の友雅と随分と打ち解けたらしい。元の世界から一緒に京にやって来た天真と詩紋とは、こちらに来る以前から友人だったようだが、京の人間であかねと最も親しい関係にあるのは、藤姫を除けば今のところ友雅であるようだ。実際、ここ数日あかねはイノリと詩紋と共に南の札探しをしていたが、その間にも友雅と二人きりで出掛けることもあったようだ。
あかねが青龍の二人と行動している間は内裏での仕事を優先させていた友雅も、西の札探し以降は左近衛府少将として多忙を極める中、毎日左大臣邸に足を運んでいるようだ。
それが、イノリには面白くないのだ。
何故だかよく分からないが、あかねと友雅が徐々に親しくなって来ていることを知るにつれ、胸の辺りがもやもやとして落ち着かない。
今も、そうだった。
(くそっ。何だか苛々する)
胸の上に手を遣ったイノリの顔は、知らず知らずのうちに渋面になっていた。

「どうしたんだい、イノリ?」
あかねに挨拶を済ませた友雅が、簀子を歩きながら声を掛けて来た。
考え事をしていたイノリは、その声に我に返り、顔を上げた。
前方から友雅が近付いて来る。
ゆったりと足を運ぶ様は、いつもながら優雅な所作だ。しかし、武官としての正装を纏った今日の友雅には、殿上を許された者としての威厳のようなものが感じられた。
八葉となってからのこの一ヶ月余りの間、イノリが友雅と共にあかねの散策に同行したのは、ほんの一、二回だった。その時は、あかねに対して気障な言動を繰り返す友雅に、「伊達男」という彼に対する第一印象を再確認する結果となったのだが、庶民である自分との身分の違いを感じたことはなかった。
だが、正装姿の友雅を見ると、身分の違いだけでなく、自分が如何にちっぽけな子供であるかを見せ付けられているような気がするのだ。
だから、あかねも、友雅に対しては大人びた表情を見せるのだろう。
なんとなく、それが面白くないと感じてしまうのだ。

イノリが立ち尽くしている場所に辿り着いた友雅が、イノリの前で立ち止まった。
「……あんた……。何しに来たんだ? 今日は南の札を取りに行く日だってのは、知ってんだろ?」
不機嫌そうな顔を向け、明らかに苛立ちの籠もった声で言うイノリに、友雅は軽く目を瞠った後、面白そうな視線を向けた。
「もちろん。知っているよ」
ふふふと笑い、友雅が答えた。
何もかも見透かしたような、余裕のあるその笑みに、イノリはいつも苛立ちを覚えてしまう。何となく、子供扱いされているような気がするからだ。
「じゃあ、何しに来たんだよ」
むすりとして問うイノリに、友雅は面白そうに口端を上げた。元よりイノリは隠し事が出来る性格ではないが、こうも考えている事が面に出てしまっていては、友雅としては苦笑するしかない。
(やれやれ。若いねえ……)
心の中でそう呟きながらも、心の何処かでその若さや情熱が羨ましいと思えるのも事実である。
射るように見据えている赤い瞳を、青みを帯びた緑色の瞳が真っ直ぐに受け止めた。
「うちの庭の白木蓮が咲いたのでね。神子殿に似合うと思ったので、持って来たのだよ」
微笑みながら答える友雅に、イノリは驚いた表情を見せた後、友雅の向こうに見えるあかねに目を遣った。
あかねはまだ部屋の前に立ち、友雅を見送っている。さっきは友雅の身体に隠れて見えなかったが、その手には花を付けた白木蓮の枝が大切そうに握られていた。
――こうやって、いつも女の気を引いている訳か……。
(ちぇっ。相変わらず気障な奴だぜ)
忽ち不機嫌そうな面持ちになったイノリを見て、友雅はくすりと笑った。それに気付いたイノリは、益々顔を顰めた。
「これから出仕するんだろ? さっさと行けよ」
イノリは自分の後方にある渡殿の方に向けて顎をしゃくった。
ぶっきら棒な物言いに、「怖い怖い」と言いながら、友雅が肩を竦めた。その仕草がまた気障ったらしく見える。
「では、神子殿をよろしく頼むよ」
「あんたに言われなくても、ちゃんとあかねを守って南の札を手に入れてやるさ!」
「ははは。これは頼もしいね」
ではね、と渡殿に向かって歩き去る友雅を、イノリはその場から見送った。


「見て見て、イノリくん。友雅さんにもらっちゃった」
――綺麗でしょう?
友雅を見送った後、近付いて来たイノリにそう言いながら、あかねは手に持っていた白木蓮に顔を近付けた。大振りの白い花から、芳しい香りが漂って来る。それは、あかねの傍に近寄ったイノリの鼻腔をも擽るほど、強い香りだった。
嬉しそうな笑みを浮かべたあかねが、イノリにも匂いを嗅がせようと、彼の鼻先に花を差し出した。その拍子に大きな花がふわりと揺れ、芳香を放った。

『神子殿に似合うと思ったので、持って来たのだよ』

目の前に差し出された大きな花を見た時、不意に先程の友雅の言葉を思い出した。
だが、イノリには友雅が言うように、この花があかねに似合うとは思えなかった。白い色が清楚と言えなくもないが、イノリの目には、白木蓮の花は優美と言うより派手に映ったからだ。
あかねにはもっと、小さくて可愛い草花が似合うと思う。例えば、野辺に咲く花のような……。
誰かが世話をしている訳ではないのに、雨や風に負けることなく毎年可憐な花を咲かせる野花のほうが、見知らぬ世界で神子として頑張ろうとしているあかねに似合っていると思う。

「イノリくん?」
白木蓮を見つめたまま黙り込んでしまったイノリに、あかねが怪訝そうに問い掛けた。
「……友雅の奴、今日はそれだけのために此処に来たのか?」
「え? あ、うん……」
突然別の話題を振られ、一瞬戸惑ったあかねだったが、直ぐに笑顔に戻って言葉を継いだ。
「今日は内裏でお仕事があるんだって。内裏に出掛ける前に、こっちに寄ってくれたんだよ」
ふふふ、とあかねが笑う。嬉しそうな笑みに、再び得体の知れないもやもやとした気持ちが湧き起こって来るのを感じた。
「あんな格好をしている友雅さんを見たのは初めてだったから、驚いちゃった。帝と会う時の正装なんだって。素敵だよね」
苛立ちの表情を表し始めたイノリに気付かず、あかねは白木蓮の花を見つめながら話し続けていた。
「この前、頼久さんも正装姿の友雅さんを見て、友雅さんだって直ぐには気付かなかったんだって。服装って、不思議だよね。ちょっと変えただけで印象が変わったりするから」
友雅から聞いたらしい話をイノリに話しながら、あかねはくすくすと笑った。
確かに、頼久が見違えたのも頷ける。イノリ自身、最初は誰だか気付かなかったのだから。
普段の、袍を着崩し髪を流した格好からは、「女好きのする伊達男」としか感じられなかったのだが、今朝のように服装を改め、威儀を正した友雅を見ると、「帝の懐刀」との評判も強ち嘘ではなかったのかも、などと思ってしまうから不思議だった。
どうやら、あかねも似たような感想を持ったようだ。
「正装って、大人っぽく見えるし……」
――友雅は、正装していなくったって子供には見えないぞ。
苛々していたせいか、ついそんな突っ込みを入れたくなってしまう。
あかねが他の者が贈った花を大事そうに胸に抱き、他の者の話をするのを聞いているだけで苛々している自分が、酷く子供っぽく思えた。
だから、つい、こんな言葉が口をついて出ていた。

「どうせオレみたいなガキには、あんな格好似合わねぇよ。……貴族でもねぇし……」

不機嫌そうなイノリの言葉に、あかねは喋るのを止めて目を見開いた。最後の一言は殆ど呟きのような小さな声だったが、しっかりあかねの耳に届いていた。
どうやら、自分が友雅の話ばかりするので拗ねてしまったようだ。年少の子供達に「親分」と慕われるイノリも、こんなところは年相応に子供っぽい。
だが、あかねは知っていた。
幼い頃に両親を亡くし、病弱な姉と二人きりになったイノリが、どんなに苦労して来たか。そして、姉を守ろうと、鍛冶師見習いとして懸命に働いていることを。
子供扱いされることを嫌うイノリだが、あかねにはイノリがただ背伸びをしているだけだとは思えなかった。これまで大した苦労もせずに生きて来たあかねには、自分の方が余程子供のように思えたからだ。
あかねはそんな事を考えながら、ちらりとイノリの着物を見た。
白と赤を基調とした、鍛冶師の仕事着――。
どこか誇らしげなその格好に、八葉の務めを全うして京を守ろうという、イノリの覚悟のようなものが表れているように思えた。

「そんな事言ってないよ」
「じゃあ、何なんだよ?」
彼の属性である「火」を思い起こさせるような赤い瞳が、あかねの方に向けられた。
それを真っ直ぐに受け止めたあかねは、今心の中で考えていたことを口にした。
「イノリくん、前に私に教えてくれたよね? その着物は鍛冶師の仕事着なんだって」
あかねの言葉にイノリが目を見開く。唐突な話題転換に、付いて行けなかったのだ。
不意に、以前あかねと交わした会話を思い出した。

『この着物は鍛冶師の仕事着だから、本当は見習いのオレが着ちゃいけないものなんだ』
『へえ。そうなんだ』
『だけどさ、オレが八葉に選ばれたことを知って、師匠が八葉の務めの時はこれを着ていいって許してくれたんだ』
『動き易そうな着物だよね』
『カッコ良いだろ? 師匠みたいな立派な鍛冶師になるのが、オレの夢なんだ』

何時だったか、あかねとそんな話をした。
「だから、その格好がイノリくんの正装なんでしょう?」
意表を突かれたイノリは、きょとんとした表情を浮かべた。
大内裏に勤める貴族のような豪華な装いではないけれど、仕事に合った機能的な着物だと、あかねが言葉を継ぐ。
「イノリくんには、その格好が一番似合ってるよ」
微笑みながら言うあかねに、イノリは苦笑した。どうやら自分は、彼女の笑顔には勝てないらしい。
さっきまでのもやもやとした気持ちは、既に何処かに消え去っていた。煽てられて浮上するなど、我ながら単純だと思う。
知らず知らずのうちに、イノリはいつもの明るい笑みを浮かべていた。
「ああ! いつか絶対、この『正装』が似合うような立派な鍛冶師になってやるからな!」
左手の親指を立てて、自分を指し示す。腕を上げた拍子に手首にはめた腕輪が擦れ合い、小さな音を立てた。
得意げなその仕草に、あかねの顔にも笑みが浮かんだ。
「イノリくんなら、きっと大丈夫だよ」
「当たり前のこと言うなよな!」
お互い顔を見合わせた後、声を上げて笑った。

自分が鍛冶師になる頃には、あかねは京にはいないだろう。
それは、自分だけでなく、彼女にも分かっているはずだ。
だが、あかねも、敢えてその事については触れない。触れずに、こうして励ましてくれる。
それが、彼女の優しさなのだろう。
あかねの笑顔を見つめながら、イノリはそう思う。

その時、漸く気付いた。

(そうか。オレ、こいつの笑顔が守りたかったんだ……)

最初は、姉を守るために鬼と戦おうと引き受けた八葉の役目。
いつの間にかそれは、今目の前に立っている少女を守るための戦いとなっていた。
八葉の務めとしてではなく、大切だと思う人を守るための戦い――。

この役目を果たし終えた時、自分の中で何かが変わっているだろうと確信できる。
二人きりの姉弟として、姉だけを守って来た子供から、大切なもの全てを守れる大人へと――…。

この戦いが終わったら、きっと――…。


「さあ。さっさと詩紋を呼んで、南の札を手に入れようぜ!」


自分を鼓舞するように上げた拳の下で、朝日に照らされた金属製の腕輪がきらりと輝いた。







〜了〜


あ と が き
「正装」というお題を見た時最初に思い浮かんだのは、実はコミック版の正装姿の友雅さんと頼久さんの会話でした。でも何となく友雅さんで書くのは面白くないと思ったので、誰の話にしようかと久しぶりに1のキャラの設定を読み直してみました。その時目に留まったのが、「イノリくんの服装は見習いは通常だと着られない」というものだったのです。じゃあ、これが鍛冶師の正装なのかなと思い、イノリくんを書くことにしたのでした。
読んでお気付きかと思いますが、CD「花鳥風月」収録のイノリくんの歌「虹色・腕」を設定に使わせて頂いてます。初めてこの歌を聴いた時、「派手な花をあかねちゃんに贈ったのって、絶対友雅さんに違いない」と思ったので、友雅さんにも登場して頂きました。友雅×あかね←イノリっぽい図式で書いていますが、実際にはあかねちゃんはまだ誰ともラブラブになっていない段階のつもりです。
そして、言い訳。第四章の最終日の設定なのですが、ゲームのイベントは無視しています。ゲームではイノリくん、最終日は先に出掛けていて、左大臣邸には来ないのですよね(^^; さらに言うと、白木蓮が咲く時期も無視しています。実際には三月末頃だったかと……。
とにかく、書き慣れないキャラだらけで苦労したお話です。
読んで下さった皆様、ありがとうございました!
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